Diary 2011. 8
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8月30日 (火)   秋の 気配の中で

 猛暑のこの夏、自分の年も忘れ、弱りつつある体力にも気づかず、精神力に押し捲られて働きすぎて、三日連続 それぞれの専門病院の診察で、”脳血栓予防””不整脈のトンプク””アレルギーの薬”と、一挙に大変な薬、、。飲む順序などおろおろしている処に、兵庫県西脇市の稲垣香子様から お便りがきました。
 「丹精込めて育てられ、作られた ”梅肉エキス” を飲んだり 口にいれたりしてもう十年以 上になります。 あふれる情報社会のなかで、私の体に入り 陰の力になってくれるのは、紅梅園の梅肉エキスであり、働いてくださる人々であり、、」 と、お礼のお便りのなかに 
 『「昔の人の知恵が助けてくれます」 とのメッセージには、とても心強く、、、』 と 読んでいく内に、はっと気付きました。 
私は ”ボケ” が先に来て、梅肉エキスを、しっかり飲んでいなかった事に気付きました。 三日連続 診療に回って、最後の病院のアレルギーの薬を初めて飲む時に、忘れていた自分で作った梅肉エキスを、コーヒースプーンで たっぷり飲んだとところ、一昼夜殆ど眠りっぱなしに眠り、翌日の日曜日も、夢うつつですごして、月曜日はすっかりアレルギーも消え、元気になったのです。
日本橋高島屋での販売のため、今日出発した孫の後継者を、元気で送り出せたこと、本当に感謝でした。 稲垣様のお便りの最後に 
 「梅にも 花にも 木々にも 全てのものに、、西脇より 有難うございます。」 
と結んでありましたが、私こそお客様に気付かされ、感動でした。 稲垣様からのお便りは、本気で気付いた ”老い” に戸惑っている私への 神仏からのプレゼントでした。 


8月27日 (土)   生来の 体質に還のか、、

 後 半月で八十二歳。 今年の収穫量は、例年の約二倍、加工日数は二倍以上かかりました。 今年は、予想出来なかった収穫量と、梅の数の多さ。梅一個づつの作業は手間がかかり、私は、初めて四十二日間、ぶっ通しで収穫の段取り、作業の進め方、それに梅肉エキスの加工に当たりました。 後継者たちも、本当に良く頑張ったのですが、マニアル化出来ない加工現場は、経験と”感”が頼りです。今年は特に梅肉エキスの備蓄が、ゼロとなつており、〔命がけ〕で、全量の梅を、最高に役立てようと必死でした。
七月下旬、NHKの 梅肉エキス加工の実況放送を最後に、加工もほぼ終了した日から、自分の体なのに思うように作動しなくなりました。 そして、子供の頃、本当に苦しんだアレルギーが現れました。 気管支喘息まで出ないうちに、体力と、精神力との折り合いをつけ、無茶をしないよう、なんとかしないと大変てす。 年を取ると、生来の体質に還るのでしょうか。 今までは、風邪も 胃腸病も、疲労も過労の眠気まで、全部 梅肉エキスが、即座に解消してくれていたのに、、。

 とぼとぼと、梅園を横切って自宅に帰る途中、目まで乏しくなったのか、道に、時ならぬ花びらが散っているので、立ち止まりました。 それは、ツバメ達の ”糞”でした。 今までは道路沿いの電線に止まっていたのに、今年は、梅園の中の電線に並んでいます。 だぶん、虫が多いからでしょう。

写真の左は、乏しい視力で一瞬 ”花びら”と勘違いしたツバメの糞。 真ん中は、 斜陽の光のなか、家族ごとに電線にとまったツバメ。 右は、何時の間にか、デッカクぶら下がった、当地方在来の 長い巨大な ”へちま” です。

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8月18日 (木)   見事な 綺麗な マムシ

 二十余年以上、屋敷内では絶滅したと思っていた ”マムシ” が、鶯宿梅の老木の根っこから見つかりました。
「マムシが 梅の根っこの所にいました」 と、ホークの先で頭を突かれた ”マムシ” は、子持ちの様子。 「精力剤になるから、皮を剥いで 【マムシ酒】 を造ってもいいけど、 ”子持ち” のようだから、、」 と、気になる様子。 私は 折角復活した ”マムシ” を、「何で殺した!」 と、言いそうになった心の裏で、 「若し 従業員に噛み付いたら、、」 それこそ大変なので、言葉を飲み込んだ。 しかし、綺麗な 茶色の見事な模様の 母親らしい ”マムシ” に、心が痛んでどうしょうもない。
収穫・加工の、過酷な長い作業の疲れだろうか、何となく以前の元気が戻らないところに、 ”母親マムシ” の死体、、何にもしたくなくなって、理由のない、やり場のない腹立たしさや胸の痛みに、自宅に帰って、タオルケットを頭からかぶって 寝込んでいた。

左が 草が生い茂った梅園。 真ん中は マムシ、。 右は、草を刈った梅園に、何時の間にかぶら下がっている 長い 長い 在来の ”ヘチマ” です。 

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8月13日 (土)   梅の樹の 本能 

 今年の収穫量は、例年の二倍以上で本当に大変でした。 私は、無我夢中でしたが、今考えると ”命がけ” だったと思います。
 昨年は、三月中旬の突然の大雪で、梅の収穫は皆無! 開園以来五十年の中で、初めてでした。 そして今年、今度は”新燃岳”の突然の噴火による降灰、、。 梅に積もった灰は、汚れた雪にそっくり、、『もう駄目だ』と思う反面『何とかしなければ、もう備蓄もなくなる』。
原料の梅が無農薬のため、外部から仕入れできないので、毎年”備蓄”してきたため、昨年の雪の被害はどうにか持ちこたえたものの、今年の分はない! 
 
 噴火の時梅は蕾でした。例年に比べ元気は無かったものの開花し、実がつきました。 ところがその後、梅園全体に異変がおこりました。 梅は花が散ったあと、生まれたばかりの梅の実は、花のガクに包まれて霜を避けますが、その時点で弱い実など、一回目の『生理落果』があり、次に梅の実が青年期? に入る時、二回目の『生理落果』をします。梅の樹が個々の樹勢に応じて、余分な実を振り落として調整します。 しかし、今年は下の写真のように、受粉した実は、びっしりくっ付いたまま落果なし。 そして、二回目の『生理落果』の時期になっても落果せず、異常に気付きました。

 今年の梅は、花が咲いただけ全部、実になったようなものです。 収穫量が多かったのは本当に 『天の助け』 と感謝しましたが、梅の実の数が、例年の二倍以上、通常一キロで二十個前後の実が、小さいため五十個以上、、。梅肉エキスは、梅を割って中の種を取り出し、果肉だけを擂り潰して絞り、梅の青汁だけを煮詰めるため、 作業の量が増え過ぎて、予定通りにいかない! 『どうしょう!』。
 思い当たったのは、異常な梅の成り様でした。 去年雪で、梅は『種』が残せなかった。 そこへ、今年も灰をかぶり異変を感じ取った梅は『種』を残すため、『生理落果』 しなかっのだと思います。 通常、何かの事情で梅が枯れる時、体力が無く葉は散って残ってないのに、実は、いっぱい着けいています。 しかし、今年の場合は、葉も元気で正常なのです。
 
 梅でさえ、『種』を残すこと、生きる事に真剣なのに、梅を育てた私が ”溜息”等ついて、、。夜中に起き上がって、『やれば出来る!』 と、梅に尻を叩かれ、今年は梅肉エキスを、例年の二倍半加工、作業日数も例年の十五日前後に対し、四十二日間、無我夢中で働きました。 実は小さいのに、成分の歩留まりも、0.015%上がっているのです。
一途に生きる梅に対して、右往左往する修行の足りない自分を恥じました。

写真左は、普通の状態。 真ん中は、同じ頃の今年の状態で、二倍以上の着果。 右は、今年の梅の完熟状態で、美が小さいです。

  

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8月2日 (火)   今日から 第三の人生

 生まれてから82年。 日本の伝統農業と食文化の伝承を志して50年余。 ようやく紅梅園を託せるメンバーが揃って、今日から、自分のための人生を、考えられる時がきました。
 先ず 朝、時間を気にしないで起きました。 何だか、小学生の時の 夏休みを思い出して、無性に嬉しいでした。
「隠居」と なるのでしょうが、先ず娘をリハビリーに送って、九時半帰宅。 朝取れゴーやのチャンプルを、朝食のおかずに足して、十時から朝食。 何だか落ち着かないので、テレビをつけました。 ちょうど 『マレーシア巨大昆虫の世界』 の番組が、真っ最中でした。
私は ”一人大将” になって、堂々と気ままな食事をしながら、自分も現場に行っている気分、、。 カメラマンが、私の代わりに、ジャングルを登ったり、下ったりしながら、綺麗な珍しい花や、見たこともない昆虫など写しながら、丁寧に見せてくださる、、。
そのうち、『大カブトムシ』 たちの相撲が始まった。 ナレーションの行司のうまい事! 上手なこと!。 箸も止まって、ジャングルの、苔むした巨木の観客席の一番前で、身を乗り出して応援!!。勝ったカブトムシや、クワガタの ”ガッツポーズ” の逞しく勇ましいこと! 『ワアーッ!』 と、大声で応援して、自分の声にびっくり! 思わず当たりを見回すと、ここは事務所ではなく、誰もいない ”我が城” 。 テレビを見たり、チャンプルを食べたり、ご飯を食べたり、、怒る母もいないし、見ている子供も 誰も見ていない、、やりたい放題。
この世で一番大事なものは、『時間』 だと、常に 『一石二鳥』 を考えながら生きた私が、 『時間はたっぷりある』 と、考えられた、本当に自由を満喫した、午前でした。 




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